鱧(ハモ)
ハモは、西の夏のまつりになくてはならない魚です。祇園祭や、天神祭では、昔からハモが食べられてきました。
旬は、初夏から秋にかけてで、「ハモは梅雨を吸って大きくなる」といわれるように、梅雨明けのハモは、身も太って、大変おいしい季節となります。
関東では、料理屋さんで食べるもの、と思われていますが、関西では、家庭でもおとし(湯引き)や、また、鍋物で、食卓に上がることが多いです。
関西、特に大阪では、玉ねぎと相性が良いということで、ハモの鍋には、不可欠です。
また、高級かまぼこの材料として使われることも多く、かまぼこ屋さんでは、残った皮を香ばしく焼き上げた後、醤油や砂糖で味付けし、細く切り、「鱧皮」として売っています。きゅうりと一緒に酢の物にし、夏の一品として重宝します。
料理方法として、湯引き・鍋・フライ・てんぷら・松茸の香高い土瓶蒸し等があります。
今月の特集レシピでは「なごり鱧の柳川風」をご紹介しています。写真にあるようないわゆる柳川鍋がなくても、フライパンで作って、お皿に盛りつけるという方法もあります。是非お試しください。
茄子(ナス)
6月頃から10月にかけて露地物が流通します。
ハウス物に比べ、皮がかたくなってきますが、本来、熱帯の植物、夏から秋にかけてが旬と言えます。しかしながら、使い勝手が良く、安定した価格のため、需要も高く、通年、店頭に並びます。
奈良時代に伝わってきたと考えられていて、以降、日本人にとって誠に馴染み深い野菜となっています。
茶の湯で用いられる、「茶入」と呼ばれる、抹茶を入れる茶道具があります。かつて、武将たちが戦の恩賞として「領地」よりも「名物茶器」を望んだという逸話がありますが、それほどに、茶器に値打ちがあった時代から、「茄子」と呼ばれる茶入がありました。形が、ナスに似ているので、この名称があり、そして、名物茶入の中でも、茄子が一番とされてきました。領地よりも尊ばれる茶器に、今では最も庶民的な野菜であるナスの名称がついているのも、なかなか興味深いことです。
料理方法は実に様々ありますが、変わったところで、当協会の8月特集レシピで、オクラのとろろをご紹介しましたが、このオクラをナスに代えて作ってみて下さい。つめたく冷やして、ショウガを添えて、お召し上がりください。
平核無柿(ヒラタネナシガキ)
ヒラタネナシガキは、渋柿の代表品種です。渋柿は、収穫後、渋抜きをして出荷されるのですが、種がなくて食べやすく、果肉がやわらかく、ジューシーなのが特徴です。
9月中旬になると、入荷量が一挙に増えますが、ここ本場へは、主に和歌山県・奈良県から入荷されます。
ところで、渋柿の渋を抜くのと、柿が二日酔いに効くのと、キーワードはひとつです。
すなわち「アセトアルデヒド」です。
柿の渋味の成分タンニンは、アセトアルデヒドと結合しやすい性質を持っています。そこで、このアセトアルデヒドを柿中に作り出し、タンニンと結合することによって、渋味を感じにくくしているのです。これが渋抜きです。
二日酔いの原因は、アルコールが肝臓で分解された時に生じる、このアセトアルデヒドです。柿を食べると、そのタンニンが、アセトアルデヒドと結合して、体外に排出すると推測されています。その上、体内に吸収されやすい柿の果糖もエネルギー補充に役立っていると考えられます。
当ホームページでは、おかずの食材として、チーズや鴨ロースと取り合わせたレシピもご紹介しております。是非ご参考になさって下さい。
太刀魚(タチウオ)

9月ともなると、秋の魚がたくさん入荷してきます。
タチウオもそのひとつです。
見た目は、その名前の由来とおり日本刀のようで、ぴかぴか光って美しいのですが、実は、どう猛なフィッシュ・イーターで、イワシ類やイカナゴ、イカ類などを追いかけて食べます。タチウオ釣りの仕掛けに「てんや」と呼ばれるものあります。どう猛な性質を利用して、その「てんや」に、イワシやアジを1匹、丸のまま、くくりつけて、タチウオを誘うわけです。
体にはウロコがなく、「グアニン層」という銀色の薄い被膜に覆われています。このグアニン層は剥がれやすいので、店頭で購入の際、新鮮さを見分けるポイントとなります。すなわち、ぴかぴか光っている方が新鮮だという事です。
淡白な白身魚ですが、意外と脂肪分が多く、同じ白身魚のタイに比べて、約2倍含まれてます。只、魚の脂肪は、血液をサラサラにし、コレステロールを下げる効果があります。
東日本より西日本でおなじみの魚で、瀬戸内海から大阪湾で多く獲れます。
料理方法としては、刺身・塩焼き・唐揚・ムニエル・南蛮漬け等です。タチウオの内臓は、腹を開かなくても、頭を切り取ったところから、抜き出すことが出来ます。刺身の際に、一手間かけて、皮をさっとあぶると、身と皮の間にある脂の旨味を引き出すことができ、更においしくなります。また、3枚におろしてから、一夜干しにしても、絶品です。
茄子(ナス)
野菜の中で、ナスほど光沢のいいものは、見あたりません。「なす紺」という色を表わす言葉も、ナスの皮の誠に美しい紫から生まれました。
ナスの主な種類は、長卵形ナス・卵形ナス・丸ナス・長ナス・小丸ナス・米ナス等がありますが、主に、徳島県・岡山県・奈良県・大阪府等からやってきます。地元大阪府のなにわ伝統野菜として、泉州水ナスと鳥飼ナスが認定されています。元々、熱帯性の植物で、水分が蒸発しやすい性質を持っています。ラップでくるんで10℃前後で保存するとよく、5℃以下だと低温障害を受け品質を損ないます。
油と相性の良いナスですが、炒め物やてんぷらにすると、皮の紫色が映えます。他に、焼きナス、煮物、漬物等便利に使えます。漬物にしておいしい水ナスですが、煮ものにしても柔らかくておいしいです。また、米ナスは煮くづれしにくく、コトコト煮込む料理にも向いています。今月の特集レシピは揚げ茄子のみぞれ煮です。是非ご参考になさって下さい。
簡単料理のひとつ。焼きナスに使うナスをピューラーで皮を引き、電子レンジでチンした後、少し濃い目の吸地につけ込み、すりおろした生姜をそえて召し上がってみてください。電子レンジを使うので焼きナスのような香ばしさはありませんが、調理中暑くなく、まったりした食感と美しい出来上がりを楽しめます。冷蔵庫に入れて、翌日もおいしいです。
なめこ(ナメコ)
種をつくらず、朽ち木や枯れ葉から養分を取り、胞子で増えるきのこ。温暖湿潤な日本はまさにきのこの宝庫で、種類は6000種以上もあり、私たちの先祖は野趣あふれるきのこに親しんできました。
ナメコの天然物の旬は秋ですが、一般に流通しているのは栽培物で、ほぼ一年中店頭に並びます。ここ本場(ほんじょう)へは、三重県・長野県からの入荷が多く、生産しているところは、やはり山間部です。流通している形態は、生ナメコの真空パック又は、株取りのトレイ入りです。生ナメコの真空パックは冷蔵で流通していますので、家庭での保管も要冷蔵です。株取りの物の方がぬめりが少ないです。いずれにせよ、調理の際には、最初にさっと水洗いしてください。
調理方法としては、味噌汁等の実、鍋物、酢の物、和え物等です。真空パックのナメコは大根おろし和えに使われることがありますが、その際には、必ず、湯通ししてからお使い下さい。今月の特集レシピは揚げ茄子のみぞれ煮です。ナメコの食感が楽しめる一品です。
ここでは、ナメコを使った常備菜をご紹介します。作り方は次のとおりです。簡単に出来て、色々に使えます。お試しください。
醤油に砂糖とみりんを加えて、からめ煮汁を作り、火にかけます。
沸騰したところにナメコを入れ、とろ火で十分に煮詰める。からめ汁は少なめにしてください。また、ねばり気のある汁になりますので、吹きこぼれに気をつけて下さい。
梨(ナシ)
ナシの主な種類は、大きく青系と赤系にわかれます。青系には20世紀、赤系には、幸水・豊水等があります。9月に入ると、20世紀・豊水の入荷が増えてきます。ここ本場(ほんじょう)へは、20世紀は、ほとんどが鳥取県から来ますが、豊水は、福島県・鳥取県・新潟県等、全国からやってきます。
ナシの作付面積は少しづつですが、減少してきています。その理由のひとつに、生産者の高齢化が挙げられます。生産者の高齢化は日本の農業がかかえる緊急問題ですが、ナシ栽培についても例外ではありません。現在のナシ栽培は、皆さんが想像されているような、1本の大きな木で実をつけていくというのではなく、枝を低く広くしたいわゆる「棚作り」が増えてきているのも、ひとつにはそのような事情があるからです。
出荷の際には、実一つ一つのおいしさのタイミングを計り、高品質なものを選ぶと同時に、一挙に出荷するのではなく、安定供給に心をくだいています。生産者は常に技術を研いて、皆さんによりおいしいナシをお届けしています。
産地では、糖度センサーを導入していますが、店頭で選ぶ際には、果皮に張りがあり、20世紀梨などの青系のナシは少し黄色っぽくなったもの、また、豊水などの赤系のナシは黄金色から適度な赤みがあるものを選びましょう。保存は常温ですが、食べる際には少し冷えていた方がおいしいです。ナシは切り口の色の変化が少ないので、急ぐ時は皮をむいて切ってからラップをして冷やすと良いでしょう。




