
- 2014おさかな絵画コンクール 入選作品決まる
主催:大阪おさかな普及協議会
今年、開催から10年目を迎えた「2014おさかな絵画コンクール」の表彰式が11月1日(土)、大阪市中央卸売市場本場の業務管理棟16階大ホールで行われた。
このコンクールは、日本の食文化の原点である「おさかな」をテーマに食育の一環として大阪府内の高校生以下を対象に作品を募集した。
審査は10月7日に専門委員と同協議会の代表理事をはじめ16人の審査員によって厳正に行われ、大阪府知事賞・大阪市長賞等52点の作品が選出された。昨年に引き続き記念事業として、中学校以下の応募者の中から30組を地曳網(岡田浦漁港)体験に招待した。また10年の記念として受賞者全員に市場の新鮮な魚介をプレゼントした。
受賞作品は大阪市中央卸売市場本場業務管理棟1階研修室に展示されている。
今年も4,761作品が集まりました。皆様方のご協力ありがとうございました。引き続き食育の一環とした魚食普及活動を推進して参りますので、ご期待下さい。◎高校生の部
大阪府知事賞
(高校1年生・菊地 陽菜)◎中学生以下の部
大阪府知事賞
(中学1年生・竹内 梓)大阪市長賞
(小学5年生・寺田 直輝)大阪市長賞
(小学3年生・篠本 心海)【後援】
大阪府、大阪府教育委員会、大阪市、大阪市教育委員会
【協力】
(一社)大阪市中央卸売市場本場市場協会、(公財)大阪府漁業振興基金
- ノロウイルスによる食中毒の予防について
例年、ノロウイルスによる食中毒は冬期に多発し、年間食中毒患者数の約5割を占めています。発生件数は11月頃から増加しはじめ、12月~翌年1月が発生のピークとなる傾向にあり、原因の多くは調理従事者を介したものとなっています(図1)。
図1.ノロウイルス月別事件数の年次推移(厚生労働省資料)
ノロウイルスとは
ノロウイルスは、昭和43年(1968年)に米国のオハイオ州ノーウォークで集団発生した急性胃腸炎の患者ふん便から発見されたウイルス(当時はノーウォークウイルス)で、その後、急性胃腸炎の患者から次々と発見されました。ノロウイルスには多くの遺伝子型があること、培養した細胞及び実験動物でウイルスを増やすことができないこと等の特徴があり、特に食品からウイルスを検出することが非常に難しいため、食中毒の原因究明や感染経路の特定を困難なものとしています。
ノロウイルスの感染経路は
①ノロウイルスが大量に含まれるふん便や吐ぶつから、人の手指等を介して感染
②家庭や共同生活施設等多くの人が接触する機会の多いところで、人から人へ飛抹感染
③食品取扱者(食品製造、飲食店等での調理、家庭での調理等に携わる人等)がノロウイルスに感染しており、その人を介してノロウイルスに汚染された食品を食べて感染
④ノロウイルスが蓄積した二枚貝を、生あるいは加熱不十分で食べて感染
⑤ノロウイルスに汚染された井戸水や簡易水道水を消毒不十分で摂取して感染
等が考えられています。
特に、③のように食品取扱者を介して食中毒となる事例が増加傾向にあり、最近の統計では調理従事者による二次汚染が原因の80%以上と報告されています(図2)。
図2.ノロウイルス食中毒発生要因(厚生労働省資料をもとに作成)
ノロウイルス食中毒予防の4原則
ノロウイルスによる食中毒を防ぐためには、次のような方法が有効です。
①持ち込まない
・食品を取り扱う人は、普段からノロウイルスに感染しないよう健康状態に注意しましょう。
・下痢、おう吐等の症状があるときは、食品を直接取り扱う作業に従事しないことが重要です。
また、ノロウイルスは症状が治まってから数週間程度ウイルスの排泄が続くことがあるので、回復後から一定の期間、食品に触れる作業を控えることが望まれます。
②拡げない
・調理器具等は洗剤で洗浄後、次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度200ppm)で消毒することでウイルスを不活化できます。また、次亜塩素酸ナトリウムが使えない場合は、熱湯(85℃以上)消毒も有効です。
・ノロウイルス患者のおう吐物やふん便を処理するときは使い捨てマスク・手袋等を着用し、汚物中のウイルスが飛散しないよう静かに汚物をペーパータオル等で拭き取りましょう。拭き取った後は、次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度200ppm)で汚染場所を消毒しましょう。また、拭き取りに使用したペーパータオル等はビニール袋に密閉して廃棄します。
③加熱する
・ノロウイルス汚染の可能性がある食品は、中心部が85℃以上で90秒間以上の加熱により、ウイルスを不活化することができます。
④つけない
・調理・食事前、用便後や患者の汚物処理・オムツ交換の後等には、必ず手を洗いましょう。
手を洗うときは石けんを十分泡立てて30秒間もみ洗いを行い、流水(温水が望ましい)でよくすすぎます。2度洗いが効果的です。
・手洗い設備の維持管理に努めるとともに、有効に活用しましょう。
↓
*発生原因の多くが調理従事者を介しての二次汚染であることから、調理従事者に不顕性感染者(症状はないものの体内にウイルスを保有している人)がいることを前提とした対策、そして従事者自らが不顕性感染者である可能性を考慮した行動等が求められます。
参考
厚生労働省 「ノロウイルスに関するQ&A」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html国立医薬品食品衛生研究所安全情報部「ノロウイルス関連情報」
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/microbial/noroindex.html
- 旬の魚「ヒラメ」
今回は、天然物は秋から冬が旬といわれる「ヒラメ」の紹介です。
■ 生態と分布
分布図
樺太、千島以南北海道から九州にいたる日本全域および朝鮮半島、東シナ海に分布しています。水深100m~200mの海底に生息し、2~7月に水深20~70メートルの岩に産卵します。
■ 動かすことで「エンガワ」が発達します
ヒラメは、浮遊生活を送っている時期は動物性プランクトンを、その後、底生生活に入ると甲殻類やハゼなどを食べます。大きくなるにつれてますます魚類を好むようになり、次第に食べる魚もマアジやカレイ類など大型の魚類を食べるようになります。砂泥底にある漁礁付近に生息し、そこに集まってくる魚を食べるという「待ち伏せ型の摂餌行動」を行うとされます。ヒラメは、エサに飛びつく時には体全体を使って泳ぎますが、ゆっくりと移動したり、砂に潜ったりする時は体の周りを囲んでいる背びれや尻びれを頻繁に使います。このため、背びれや尻びれを動かす筋肉いわゆる「縁側(エンガワ)」は、たいへん美味しいことで知られています。
■ 大型の天然物が多く入荷する冬が旬です
天然ヒラメの写真
旬は「寒ビラメ」と言われるように産卵前の冬場です。逆に産卵後ヒラメは痩せていて「三月ひらめは猫(犬)も食わぬ」などと、季節はずれの不味いものの代名詞的な使われ方をします。ただ、日本は南北に細長いので、冬場以外の6~7月でも北海道や青森などから入荷するヒラメはよく肥えていて美味しいです。
漁法は、底刺し網、定置網、底引き網、釣りなどです。
■ 左ヒラメに右カレイ
形が似ているカレイと見分けるために使われています。黒皮を上にしたとき、目が左にくるのがヒラメです。
他の見分け方としては、ヒラメは口が大きい、歯が鋭いなどがあります。
余談ですが、ヒラメやカレイは環境にあわせて体色を変化させることができるといわれ、まず、視覚で海底の色を認識してから、体表の色素を周辺の色調に同調させるとか。じっと身を潜めて獲物を待っているのでしょうか。
■ 柑橘類をエサに加えた養殖ヒラメも登場!
養殖ヒラメの写真
天然ヒラメは年々少なくなっていますが、成長も早いとあって、現在では養殖ヒラメが多く流通しています。国内では鹿児島、愛媛などが主産地ですが、韓国(済州島)からも活魚船で輸入されています。種苗は人工孵化で生産され、1年から2年で600g~2kgに育て出荷されます。
養殖ヒラメは有眼側(黒皮の側)の一部が白くなったり、無眼側が一部黒くなったりすることが多く、見た目では天然ヒラメと簡単に区別することができます。地元特産の柑橘類などをエサに加えて育てた養殖魚が近頃、数多く流通していますが、ヒラメでは大分県の「かぼすヒラメ」が登場しました。
■ タイやヒラメの舞踊り
高級魚が次から次と釣れると嬉しいことのたとえで、ヒラメは昔から、タイと並んで刺身用の白身魚の代表として挙げられます。肉質にくせがなく、淡白で生食に限らず、煮付け・フライ・ムニエルなど和風・洋風ともに調理されています。余談ですが、タイもヒラメも養殖が盛んです。
■うまみ成分が豊富です
ミネラルやビタミンもバランスよく含み、消化・吸収も早いため、子供からお年寄りまで安心して食べることができます。アミノ酸のなかでも、うまみ成分となるイノシン酸が豊富で、淡白な魚ながら濃厚な味といえます。とくにエンガワにはたんぱく質の一種、コラーゲンが含まれており、こちらは独特の歯ごたえと味を楽しむことができます。「ヒラメと夏座敷は縁側がよい」と風流なたとえがあるほどです。
■ おいしい食べ方
新鮮で、身がかたいものであれば、薄づくりにしてポン酢でいただくのがおすすめです。また、刺身または冊の状態で出し昆布にはさみ、ラップでくるんで一晩置いたら、昆布締めができます。わさび醤油でどうぞ。
お刺身でいただくイメージが強いヒラメですが、火を通してもおいしくいただくことができます。青森産ヒラメをスーパーで見つけたので、“煮付け”にしてみました。
定番の、お鍋で作る煮魚も作ってみれば意外と簡単です。ぜひ、お試しください。
【材料】
ヒラメ2切れ(300gくらい)
とうふ 1丁(300gくらい)
<調味料>
砂糖 大さじ3
酒 1/2カップ
しょうゆ 大さじ5
みりん 大さじ2
水 大さじ4
【作り方】
①ヒラメの裏表に切れ目を入れる。
②鍋に<調味料>を入れて強火にかけ、煮立ったら魚を入れて中火にし、アルミホイルなどで落しぶたをする。
③中火で4~5分煮たら、お玉で煮汁をかける。これを2~3回くりかえす。
④魚を取り出して、皿に盛り付けて煮汁をかける。
⑤残った煮汁をお玉1杯程度の水で薄めて豆腐を煮たら、皿に盛り付けてできあがり!
HPには他にもヒラメを使ったレシピを掲載しています。どうぞご覧下さい。
http://www.uoichi.co.jp/uoichi_info/recipe.asp?fishid=25#recipe6
■ 参考文献
現代おさかな辞典(NTS INC)
■ 旬の魚のバックナンバーはこちらから
http://www.uoichi.co.jp/uoichi_info/main_bknum_fish.asp
- 行事予定のお知らせ
第62回 場内卓球大会
参加者募集!! ふるってご参加ください。
日 時 2月5日(木)午後1時30分集合、2時試合開始(団体戦)
6日(金)午後2時試合開始 (個人戦)場 所 大阪市中央卸売市場本場体育館(市場東棟 5階) 試 合 団体戦 2単1複形式、1チームは3~4名で編成
個人戦 (Ⅰ・Ⅱ部)申込締切 平成27年1月23日(金)までに団体を通じて申し込み下さい。 その他 上位入賞者は、27年度の京阪神三都市競技大会(京都市大会)の代表になります。 《詳細は、市場協会(内線7850) 飯田までお問い合わせください》
- 資料室からのご案内
新刊案内
『アクアネット アジを考える』(湊文社)
マアジ対馬暖流系群の資源と利用の現状
我が国では国連海洋法条約の締結に伴い、1997年から年間の漁獲可能量(TAC:Total AllowableCatch)を定めて資源管理が行われており、マアジもこのTAC対象種の一つである。マアジの主漁場は東シナ海~日本海西部・太平洋南部沿岸域で、我が国漁船によるマアジの総漁獲量の約7割が東シナ海~日本海西部において漁獲されている。日本近海におけるマアジの漁獲量は1960年代に入って増加し、一時は50万tを超えていたとされるが、1960年代後半から減少し、1980年代には約5万tとなった。その後再び増加して、1990年代には30万t前後で推移していたが、2001年以降は20万t前後となり、2006年以降は15万t前後で推移している。現在、資源評価の単位としては日本海~東シナ海に分布する対馬暖流系群、太平洋側に分布する太平洋系群の2つが設定され、それぞれ資源状態の判断を行っている。ここでは対馬暖流系群について紹介する。【新着の図書・資料の紹介】
『[臨時増刊]日本食糧新聞 北海道支社開設65周年特集号 北海道フードライフ』(日本食糧新聞社)
『FRANEWS 技術を活かす 研究成果を現場に』(水産総合研究センター)
『キューピーニュース 箸の持ち方 ~和食が無形文化遺産に認定されて~』(キューピー㈱)
『平成25年 冷凍食品に関連する諸統計』(日本冷凍食品協会)
『aff 食は元気の源 おいしい!使いやすい!介護食品』(農林水産省)
『平成24~25年 第88次農林水産省統計表』(農林統計協会)
『平成25年 家計調査年報』(日本統計協会)
『よくわかる栽培12ヶ月 カキ』(NHK出版)
『果実日本 特集:キウイフルーツ産業の現状と発展方向』(日本園芸農業協同組合連合会)
『あまから手帖 使える梅田&オンリーワンの取り寄せ鍋』(クリエテ関西)
『水産振興 気候変動とシロザケ個体群動態』(東京水産振興会)
『大阪市東部中央卸売市場開設50周年記念誌』(大阪市東部中央卸売市場)

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- 号外 2010年08月05日