
- すいなか平成26年度の活動
大阪市水産物卸協同組合
大阪市水産物卸協同組合(細井禎藏理事長)では、近隣小学校などを招いて開く食育料理教室や、魚食普及を中心としたさまざまなイベントを通じて、大阪本場のPRに努めています。
今年度は阿倍野区の小学校の市場見学と親子料理教室の開催を予定しております。
またラジオなどで人気の足立敦子先生を講師にお迎えして、「女子力UP!魚食と地域食材の料理教室」を好評につき開催します。今年は10月11日(土)、18日(土)、11月22日(土)、12月6日(土)の4回を予定。各回、ご希望の方を講習前に市場内の見学にご案内します。また4回目は年始にも役立つようなハレのメニューを考えております。
組合HPのリニューアルを行っており、大阪本場にご興味、仕入れにご興味のある飲食店さまの役立つような情報の発信に努めてまいります。
他にもマスコミや企業とのコラボによる本場PRと魚食普及のためのイベントや、さかなを通じた絵画コンクール(高校生以下対象)など、今後も販促活動を積極的に進めて参ります。
- 旬の魚 マダイ(真鯛)
今回は、海魚の王様、マダイ(真鯛)です。
■「魚は鯛」
「花は桜木、人は武士、柱は檜、魚は鯛、・・・」と、江戸時代の俳人・横井也有が「鶉衣(うずらころも)」に残していますが、マダイは姿・色・味のどれをとっても日本人の好みに合っているようで、海魚の王様、日本を代表する魚とされます。「目出タイ」との語呂合わせもあるでしょうが、その赤く美しい色合いが、赤をおめでたい色とする日本人の風習に受けいれられ、祝い膳の尾頭付きと言えばこの魚で、古くから日本人に親しまれています。今回の「旬の魚」は、こんな魚「マダイ」の話です。
■名前
通常「タイ(鯛)」と言えばこのマダイを指します。タイの語源は体形が平たいため「たいらな魚」からきているようです。漢字では魚偏に「周」と書きます。周は「調和がとれた」という意味があって、冒頭に記したように姿・色・味ともバランスよく日本人の好みに合っていることからすれば、この魚の特徴をよく現しています。
また、マダイが全国区の魚である証でしょうか、全国どこに行ってもタイはタイで、地方名が見当たりません。関西ではささ漬けに使うようなマダイの幼魚を「かすご(春子)」、それよりもう少し大きい小鯛を「ちゃりこ」と呼びますが、せいぜいその程度です。
■マダイの仲間
マダイはスズキ目 タイ科 マダイ属の魚で、同じタイ科の魚で市場に出回るのはクロダイ(チヌ)、キビレ、ヘダイ、キダイ(レンコダイ)、チダイがあります。
キンメダイ、イシダイ、アマダイなど語尾にタイ(ダイ)の付く魚は多数ありますが、それらのほとんどは、タイ科以外の魚で近縁性はなく、俗に「あやかりダイ」と呼ばれます。原色魚類大図鑑(平成17年版)によれば、収録されている日本産魚類3,954種の内、「あやかりダイ」は356種もあります。実に一割弱に「○○ダイ」と付くわけで、裏を返せばそれくらいマダイの存在が大きく、あやかりたい魚が多かったということでしょうか。
■マダイの旬
マダイは通年出回り、産卵後の痩せた時期を除いては、いつでも美味しい魚です。ただ、あえて旬と言うならば、産卵後で体力が回復し、また水温も下がって身にしっとりと脂がのる晩秋から春の産卵期前まで。産卵期のマダイは桜の時期と重なり、また色合いも美しい桜色なことから「桜鯛」と呼ばれます。この時期は産卵で沿岸部に近づくため漁獲量も年間で最も多くなります。
産卵を終えたマダイは痩せて脂も抜けてしまいます。この時期は麦秋の頃と重なるため俗に「麦わら鯛」と呼ばれますが、この時期の鯛だけは「腐っても鯛」とはいかないようです。ただ、2ヶ月ほど経てば餌をたくさん食べて体力を取り戻し、美味しいマダイに戻ります。麦秋とは通常5~6月のことですが、この時期のマダイがみんな不味いかと言えばそうでもありません。南北に長い日本では、南と北で産卵期が2~3ヶ月ずれるからです。
■マダイはこんな魚です。
●分布
マダイは琉球を除く北海道南部以南の日本各地から朝鮮半島南部、東・南シナ海など中国の沿岸部から台湾にまで分布しています。国内では、各県の漁獲統計から分布の濃淡を推定できます。漁獲が特に多いのは長崎、愛媛、福岡、兵庫などで、次いでは日本海側の山口、島根、新潟などの各県です。つまり、愛媛から長崎を通って新潟にいたる日本海側で多く、太平洋側の分布は比較的少ない傾向があります。
●生態と生活史
マダイは沿岸性の魚で、水深30m~150mの海底付近に棲んでいます。多くいるのは水深50m前後の岩礁域や砂泥底です。回遊性があって、生涯を通じて定住するのではなく、成長するに従って沿岸の浅所から沖の深場に棲みかを変えます。性的に成熟すると繁殖期には岸近い産卵場所へ移動し、産卵後はまた沖の深い場所に戻ります。
成熟したマダイは、春、水温が14~15℃になると産卵期に入ります。1尾の雌が産む卵数10万~100万に及びます。産卵された卵は3日ほどで孵化し、動物プランクトンを食べて約1ヶ月で約10㎜に成長、水深5m前後のアマモなどが繁茂する砂泥底で生活します。その後成長するにつれて深場へ移動し、孵化から2~3ヶ月たった秋には体長6~7㎝に成長します。その後、生後1年で体長15~16㎝、2年で20~23㎝、3年で25~27㎝、10年では50~60㎝に成長します。魚は短命なものが多い中でマダイはかなり長命のようで、寿命は30年とも40年とも云われます。
マダイは肉食性で、エビ・カニなどの甲殻類やヒトデなどの他、ハゼやイカナゴ、カタクチイワシなどの魚類まで食べ、食性はかなり貪欲です。歯は上顎・下顎とも内外2列ありますが、前方外側は犬歯状で鋭く、後列内側は臼歯状になっていて甲殻類やヒトデなどの固い殻も噛み砕けるようになっています。
■養殖マダイ
現在のように手軽にマダイを食べることができるようになったのは養殖のおかげです。平成24年の漁業・養殖業生産統計によれば、養殖マダイの生産量が57,700トン、一方 天然マダイは15,400トンで養殖の割合が約8割を占めています。20年ほど前は、明石(兵庫)や加太(和歌山)などブランド産地の天然マダイはキロ当り7,000円も8,000円もしたものですが、現在では半値以下になっています。デフレの影響もあるものの、やはり養殖物のマダイが豊富に出回っていることが大きな要因です。
養殖マダイの生産は昭和40年代から本格化しました。当初は天然の稚魚から育てていましたが、現在では殆どが人工孵化の稚魚から生産されています。優秀な親魚を交配することで、姿が美しくて肉質も良いものを短期間で育てることができるようになりました。例えば、天然物だと1kgに成長するのに5年くらいかかりますが、養殖では1年半~2年ほどで同じ大きさに育成できます。
マダイは体表にメラニン色素を持っているため、海面近くで飼育すると紫外線によって日焼けし、体表が黒くなってしまいます。通常、これを防ぐため生簀に遮光ネットを張って育てますが、沈下式といって生簀を30mくらいの水中に沈めて飼育する方法なども開発されています。マダイの美しい赤色は、海老など甲殻類の持つアスタキサンチンという色素によります。養殖のマダイもこの美しい色合いを出すために飼料にオキアミなどの甲殻類を配合するなど様々な工夫がなされています。
■将来は王様から普通の魚?
現在ではこれほどに珍重され、海魚の王様とも評されるマダイなのですが、将来的にもそうかと言うとはなはだ不安があります。実は、マダイをよく食べるのは高齢世代が圧倒的に多く、若い世代はあまり食べていないからです。
総務省の家計調査によれば、マダイの消費が最も多いのは世帯主が70歳以上の世帯で1世帯当り年間(平成23年)1,749円。一方、最も消費が少ないのは世帯主が29歳以下の世帯で1世帯当たり年間175円、何とその差が約10倍もあります。例えば、若い世代にも人気があるサケの場合はこの差が1.7倍、エビの場合は2.5倍で、マダイの約10倍は家計調査で取上げている鮮魚の中で高い値となっています。
若い時期の食習慣は一生続く傾向が強いと言われており、その点からすれば、現在の若い世代が高齢化した時にマダイをたくさん食べるようになるのは期待薄です。皆が食べてこそ海魚の王様ですが、あまり食べなくなれば王様どころかごくごく普通の魚になってしまいそうです。現在の日本におけるマダイの位置付けは、世界で最も多彩な日本の魚食文化の中で育まれたものです。普通の魚になってしまわぬよう、若い世代にもっと食べてもらえるようにマダイをPRしていきたいものです。
■外国では下魚扱い?
では、マダイの海外での評価はどうなのでしょうか。どうもこれが海魚の王様どころか、下魚の扱いなのだそうです。神奈川県漁連さんのホームページに、マダイについてこんな記載があるので紹介(抜粋)させてもらいます。
「まず、日本中どこヘ行っても珍重するこの魚は、日本以外では信じがたいほどの下魚になる。お隣の中国には、死者の肉を食う魚として忌みきらう風習がある。アメリカでは、食用魚に入れず、肥料の材料にする所もあると、聞いたことがある。日本人がタイを賛える一つのポイントとしてあげる威勢のよい背ピレ、胸ピレは、ほとんどの国では、ケガをするおそれのある邪魔ものであり、あのしっかりした骨格は、ノドにでもさされば生命にかかわる厄介なものになってしまう。」
所変れば・・・と言いますが、食文化が違うとこれほど評価が異なるものなのですね。海魚の王様も気の毒です。ただ、この文書は昭和45年頃に書かれたもののようで、昨今の世界的な魚食ブームや日本の魚食文化の広まりからだいぶ様子が変ってきているようです。例えば、現在では中国でもマダイが養殖されているし、東南アジア各地にも鮨などの和食素材としてマダイが日本からたくさん空輸されています。
■マダイのおいしい料理
マダイの身は、海老などの高級な餌をたべるためか、淡白ななかに豊な風味を秘め、生臭さやくせがなく、どんな調理法にも適します。刺身に始まり、煮る、焼く、蒸す、揚げる、汁物、ご飯物、練り物と、これはもう多種多彩、さすがに海魚の王様と言われるだけのことはあります。
旬のマダイはどう料理しても美味しいですが、やはりデリケートな持ち味を生かしたシンプルなものがベスト。桜鯛の時期ならばこんな料理がお勧めです。
●湯霜造り
刺身ならば春のお勧めは湯霜造り。皮と身の間にある脂分のおいしさをさっぱりとした口当たりで味わうことができます。ゼラチン質を含んだ皮の食感もたまりません。
●潮汁
汁物ならばシンプルな味付けの潮汁です。椀に盛ったときの立派さ、美しい色合い、豊かな風味、潮汁にしてもマダイは王様です。
●カルパッチョ
洋風ならばお勧めはこれ。基本の味付けはオリーブオイルと塩のみ。ハーブ類や黒コショウなどがマダイのおいしさを更に引き立ててくれます。
詳しいレシピは、当社HPをごらんください。
http://www.uoichi.co.jp/uoichi_info/recipe.asp?fishid=34
他にもマダイを使ったレシピをのせていますので、ぜひご覧ください。
■旬の魚のバックナンバーはこちらから
http://www.uoichi.co.jp/uoichi_info/main_bknum_fish.asp
- 春人参
春が近づくと「春にんじん」を味わえるのが楽しみの一つです。
主な産地は徳島・長崎で、3月中旬から5月末頃まで出回ります。
甘くて柔らかいのが特徴です。
にんじん本来の旬は秋冬ですが、春にんじんは暖かくなる春を待ってから収穫されたものを言います。
秋に種を蒔き、土の中で寒い冬を越し、甘味をいっぱいに蓄えるのです。
まずは生のまま味わってみて下さい。にんじんスティックや搾ってジュースにすると、その甘さに驚きます。ピーラーでリボン状に削ると、かわいらしいサラダのできあがりです。
にんじんは水気を嫌います。キッチンペーパーで包んでポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で立てて保存しておくと、鮮度を保てますよ。
- 本場 総合防災訓練
平成26年2月25日(火)に本場で業務管理棟を対象に総合防災訓練が行われました。
訓練内容については、震度6弱の地震があり、それにより火災も発生、併せて大津波警報が出たとの想定で、福島消防署より副署長はじめ署員の方の指導を受けながら行われました。
地震、火災の発生を知らせる館内放送で避難指示が行われ、業務管理棟で働く70名の方が団体ごとに、整然と階段で避難を開始、避難終了後には、参加者による救助訓練や消火訓練も併せて実施されました。
この訓練により、日常からの防災意識の更なる向上が図られました。
- 行事予定のお知らせ
第66回 場内野球大会
応援おねがいします!!
日 時 4月4日(金)~4月25日(金) 試合開始 午後3時 ~ (1日1試合) 場 所 松島球場(西区千代崎1丁目) 試 合 トーナメント方式 申込締切 平成26年3月14日(金)申し込み締め切りました。 その他 優勝・準優勝チームは、26年度の京阪神三都市市場大会(10月 大阪大会)の代表になります。 《詳細は、市場協会(内線7850) 飯田までお問い合わせください》 –
第60回 場内テニス大会
参加者募集!! ふるってご参加ください。
日 時 5月14日(水)午前9時 ~ 雨天決行(雨天の場合インドア) 場 所 シーサイドテニスガーデン舞洲(此花区北港緑地2丁目) 試 合 テニス(男子・女子別 ダブルス)
ソフトテニス(男子・女子別 ダブルス)申込締切 平成26年5月2日(金)までに団体を通じて申し込み下さい。 その他 上位入賞者は、26年度の京阪神三都市市場大会(10月 大阪大会)の代表になります。 《詳細は、市場協会(内線7850) 飯田までお問い合わせください》 –
第66回 場内ボウリング大会
みんなでボウリングしませんか!!
日 時 6月3日(火) 午後6時 ~ 場 所 イーグルボウル(大阪市淀川区宮原4-3-9) 試 合 男子団体戦(1チーム3名) 女子団体戦(1チーム3名)
個人戦(男女別)
※混合チームの場合、団体戦は男子チーム 個人戦は男女別申込締切 平成26年5月23日(金)までに団体を通じて申し込み下さい。 その他 団体戦、個人戦別 (表彰) その他 ブービー賞、とび賞 賞品有り 《詳細は、市場協会(内線7850) 飯田までお問い合わせください》
- 資料室からのご案内
新刊案内
『アクアネット 気候変動と水産業』(湊文社)
気候変動と水産資源 -日本海における水温上昇とサワラ・スルメイカの変化- 近年の猛暑に代表されるように、私達の生活にも気候変化による影響が様々な分野で現れ始めている。
文部科学省ほか(2013)がとりまとめた気候変動の観測・予測および影響評価統合レポート「日本の気候変動とその影響(2012年度版)」では、近年の日本の気候変動に関する観測結果、および近年の気候変動に伴う各分野で生じている影響、さらに今後の予測および適応策がまとめられている。水産分野では、近年の日本海の高水温による影響と推察されるサワラ漁獲量の急増と、スルメイカの漁獲量減少がトピックとして取り上げられている。そこで、ここでは日本海におけるサワラとスルメイカを主な事例として、近年の気候変動が与える水産資源への影響を紹介する。【新着の図書・資料の紹介】
『野田小学校創立110周年記念誌 のだっこの野田が大好き!』(大阪市立野田小学校)
『2013 食博覧会・大阪 公式記録集』(食博覧会実行委員会)
『キューピーニュース 健康寿命延長のためのキーワード“サルコペニア肥満”』(キューピー㈱)
『2014年版 ととけん副読本 問題・解答・解説集』(日本さかな検定協会)
『フード・アクション・ニッポンアワード2013』(農林水産省)
『冷凍食品仕向先実態調査結果報告書 平成26年2月』(日本冷凍食品協会)
『果実日本 特集:Ⅰ-サクランボ産業の現状と発展方向 Ⅱ-ブルーベリー産業の現状と発展方向』(日本園芸農業協同組合連合会)
『平成26年度版 食糧経済年鑑』(食糧経済通信社)
『水産振興 「水産物流通と販売現場の『新しい潮流』」』(東京水産振興会)
『あまから手帖 ウスター・デミ最強のソースフード&天満』(クリエテ関西)
『臨時増刊日本食糧新聞 平成25年度食品ヒット大賞/新技術・食品開発賞』(日本食糧新聞社)
『平成25年度 我が国周辺水域の漁業資源評価』(水産総合研究センター)

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- 号外 2010年08月05日