
- 2013おさかな絵画コンクール 入選作品決まる
主催:大阪おさかな普及協議会
今年で9回目を迎えた「2013おさかな絵画コンクール」の表彰式が11月2日、大阪市中央卸売市場本場の業務管理棟16階大ホールで行われた。
このコンクールは、日本の食文化の原点である「おさかな」をテーマに食育の一環として大阪府内の高校生以下を対象に作品を募集した。
審査は10月3日に専門委員と同協議会の代表理事をはじめ16人の審査員によって厳正に行われ、大阪府知事賞・大阪市長賞等53点の作品が選出された。今年も昨年に引き続き記念事業として、中学校以下の応募者の中から30組を地曳網(岡田浦漁港)体験に招待した。
受賞作品は大阪市中央卸売市場本場業務管理棟1階研修室で展示されている。
今年は5,711作品が集まりました。皆様方のご協力ありがとうございました。引き続き食育の一環とした魚食普及活動を推進して参りますので、ご期待下さい。◎高校生の部
大阪府知事賞
(高校3年生・長田 真央)◎中学生以下の部
大阪府知事賞
(中学3年生・長澤 いち子)大阪市長賞
(小学4年生・辻岡 翼)大阪市長賞
(小学2年生・井上 幸士)【後援】
大阪府、大阪府教育委員会、大阪市、大阪市教育委員会
【協力】
(一社)大阪市中央卸売市場本場市場協会、(公財)大阪府漁業振興基金
- 旬の魚 「マダラ(真鱈)」
マダラの画像
今回は、お鍋によくあう「マダラ」のお話です。
■マダラってどんな魚?
魚偏に雪と書くのは、雪の降る頃に獲れるからといわれています。
気象現象が入った漢字を持つとはなんとも趣がありますが、その姿は、口が大きくいつ見てもお腹を膨らしていて、お世辞にも「趣」とは縁遠い形相です。大食漢で、さばくとたいていは胃袋からカレイやカニなど消化途中の魚介類が出てきます。「たらふく食べる」は「鱈腹食べる」で、文字通りたくさん食べてタラの腹のように膨れた様子を言います。身質は白身で淡白ななかにも旨みがあり、冬場の鍋にはずせない魚です。
マダラの形態上の特徴は、軟条(棘がない)の背びれが3基あり、コイと同様、下顎にヒゲを持ちます。大きいものになると体長はゆうに1mを超え20kgに達するものもいるそうです。
市場でも15~16kg位のものはたまに見かけます。
マダラの分布図
分布は北緯34度以北の北太平洋とその周辺海域。マダラが漁獲されるのは太平洋のみで、主にヨーロッパで漁獲されるのは同じマダラ属でも「タイセイヨウダラ」という別の魚種です。日本近海では太平洋側は茨城県以北、日本海側は山口県以北に生息し、特に北海道周辺海域に多く、南下するほど少なくなります。水深200m前後の大陸棚や大陸棚斜面の岩礁域に生息し、日本近海では水深150m付近に多い。産卵期は冬から早春で、生息域の南限にあたる日本近海では、冬季に浅場に移動して産卵し、夏場に深場に戻ります。
仔稚魚は動物プランクトンを摂食していますが、成魚になるとニシンやスケトウダラ、カレイ類などの魚類や大型のカニ類、イカ、タコ、二枚貝などを食べます。
■マダラの仲間たち
マダラは分類上ではタラ目タラ科マダラ属。同じタラ目・タラ科の魚は英語ではCodと呼ばれ、太平洋、大西洋、北極海に22属55種が知られています。このうち日本近海に棲むのは、おなじみの、「マダラ」、「スケトウダラ」、「コマイ」の3種です。
①スケトウダラ(介党鱈)
マダラよりも小型でスマート。卵巣は塩たらこや明太子に、身はすり身として蒲鉾や竹輪などの煉製品に多く使われます。漁獲量はマダラよりも多い。
②コマイ(氷下魚)
コマイという名は、マダラやスケトウダラよりなどに比べて小さい魚という意味から付けられたようです。漢字名のとおり、北海道東部では1月~3月に氷の下に網を入れて漁獲する。通常は加工されて出回っています。干物は美味で、北海道産の食材を売りにする居酒屋などの定番メニューとなっています。
ちなみに、白身フライなどの原料として需要の多いホキ・メルルーサは、同じタラ目・タラ科の魚です。脂肪分が多くて美味しく高級魚になっているギンダラは、名前こそ「タラ」と付きますが、カサゴ目でアイナメやホッケの近縁種です。
■マダラは真鱈、斑???
マダラという名前は、スケトウダラなど他のタラに対して、正真正銘のタラということから「真鱈」かと思っていたら、どうも違うようです。マダラの背の模様は、疑いもなく「斑」模様で、マダラとは斑からきているようです。通常「タラ」と呼ぶのは、頭音の「マ」が呼称の簡略化で脱落したためのようです。
だとすれば、「鱈」という文字は後から作られたということになりますね。
■棒鱈(加工品)
マダラの代表的な加工品が「棒鱈」です。 (※1)関西では、縁起物として煮含めたものをお節に使います。主な加工地は北海道の稚内や礼文島で、冬場に漁獲し、さばいたものを春先までかけて、天日でカラカラになるまで干しあげます。
15年ほど前までは年間300トン以上生産されていましたが、原魚の価格上昇や生鮮タラの需要増大から、今年の生産量は100トンを切るまでになってしまいました。何と言っても需要の減少が大きいようです。(家庭でお節をつくらなくなったので)
棒鱈は柔らかく戻すのに約1週間かかり、炊き上げるのに小半日も掛かる、究極のスローフードです。時流に逆らえないのはわかりますが何とも寂しいものです。なんとか関西伝統の食文化を残していきたいですね。
(※1)食生活が豊でなかった時代には、鱈腹食べられる事は至福の喜びでした。鱈は深海の真っ暗な場所でもお腹いっぱい食べている0縁起のいい魚ということで、それにあやかるためにおせちに入れられました。
■ダイエットの味方!マダラの料理
◇鱈腹食べても大丈夫!
白身で味が淡白なことからもわかるように、マダラの身は脂肪分が非常に少なく、低カロリーでダイエット向きです。切身100gは77kcalで、ブリの三分の一以下、同じ白身の天然マダイと比べても約二分の一の低さです。まさに鱈腹食べても大丈夫な魚です。
◇昆布と合わせて旨みアップ
冬場はやはり鍋ですが、タラ鍋には昆布を必ず入れてください。マダラはイノシン酸を始めとする旨み成分のアミノ酸が多く、昆布のグルタミン酸と合わさると相乗効果で旨みがさらに強くなります。刺身も昆布締めにすると身がしまって美味しいです。
◇油や牛乳との相性もよい
バター焼きやムニエルなど油を使った料理方法がよく合います。フライにしてホワイトソースやタルタルソースなどで食べても美味しいです。牛乳との相性もよく、クリームシチューやチャウダーにしても美味です。水分が魚肉の中でも特に多く(約80%以上)身崩れしやすいので、薄塩をして身を締め、料理の最後にタラを入れるのがポイントです。
◆◆産地の郷土料理に挑戦しました!◆◆
タラの郷土料理としては、青森の「じゃっぱ汁」、庄内の「どんがら汁」が有名です。これらは、身、エラ、アラ、内臓もすべて使って鍋にしたもので、野趣あふれる美味しさと聞き、新鮮なものを購入して挑戦してみました。
先ず、「エラ」・・・さすがに腰が引けて使用中止。「胃袋」・・・中に未消化の餌が残っていて掃除が大変!ボイルしてやっと臭いが抜けました。特に味はなかったですが、ホルモンのようでおつな食感でした。「肝」・・・かなり鮮度がよいはずでしたが臭いがきつく、少し食べただけで止めました。水分が多いためかアンコウの肝と比べてもかなり足が速いようです。獲れたてならば美味しいと思われます。・・・ということで、やはり郷土料理は地元でということでしょうか。
■おさかなクッキング
タラは油との相性が抜群です。から揚げにしてきのこのあん仕立てにしてみました。
●タラのから揚げキノコあん仕立て(2人前)
タラのから揚げキノコあん仕立て
【材料(2人前)】
タラ切り身 2切れ(1切れ:約100g)
片栗粉 適量
キノコ 〃 (今回はシイタケ・ブナシメジ各60g)
万能ネギ 〃《調味料》
水 大さじ10
しょうゆ 〃 4
酢 〃 2
砂糖 〃 2【作り方】
①先ずキノコあんを作る。調味料とキノコを鍋に入れて火にかける。沸騰したら火を止め、水溶き片栗粉でとろみをつけ、再び火にかけてあんの固さを調節します。
②タラに片栗粉をまぶして、油で揚げます。(フライパンでOK)
③油をきってお皿に盛り付け、キノコあんを上からたっぷりかけて、最後にネギをふりかけてでき上がり!
他にもマダラを使ったレシピをホームページにのせていますので、ぜひご覧ください。
http://www.uoichi.co.jp/uoichi_info/recipe.asp?fishid=17
■旬の魚のバックナンバーはこちらから
- 行事予定のお知らせ
第61回 場内卓球大会
参加者募集!! ふるってご参加ください。
日 時 2月6日(木)午後1時30分集合、2時試合開始(団体戦)
7日(金)午後2時試合開始 (個人戦)場 所 大阪市中央卸売市場本場体育館(市場東棟 5階) 試 合 団体戦 2単1複形式、1チームは3~4名で編成
個人戦 (Ⅰ・Ⅱ部)申込締切 1月10日(金)以降、会員団体に書類等お届けしますので、1月24日(金)までに団体を通じて申し込み下さい。 その他 上位入賞者は、26年度の京阪神三都市競技大会(大阪市大会)の代表になります。 《詳細は、市場協会(内線7850) 飯田までお問い合わせください》
- 資料室からのご案内
新刊案内
『水産振興 マグロ 漁船から世界の食卓まで-世界的視野でみる製品・貿易流通・市場経済-』(東京水産振興会)
現在多くの水産物は国際流通・市場を持っているが、歴史的にも規模でも、マグロほど大きな地球規模の漁業・流通・市場を持つ水産物は他に見当たらない。その原動力は勿論世界の強いマグロに対する需要であるが、マグロが高度回遊性魚類であること、漁場が世界にまたがって多漁具・多魚種漁業であること、公海を含めて広い海域で国際漁業がおこなわれていること等の特性の他に、消費者の健康志向、そして資源量が大きく、漁獲圧力に対して打たれ強い資源である事等があげられる。一方、マグロの資源、漁業、その資源管理・漁業規制等を論じる際、従来はとかく生物・資源学の立場からのみ考えられ、最大持続生産量を管理目標に全てが動いて来た。しかし漁業は経済活動であり、需要によって起動され、市場に支配される。従って、世界の社会経済要因を除外してマグロの資源管理を論じることは不可能である。ここでは、生物学と社会経済分野の間の垣根を取り除いて、マグロ産業全体を世界的に見ることによって、今後マグロの資源・管理問題を考える場合の最低限の情報を提供することを目的に、わかりやすく解説しています。
【新着の図書・資料の紹介】
『平成24年 冷凍食品に関連する諸統計』(日本冷凍食品協会)
『FRANEWS 漁船の省エネ 研究の現場から世界が注目する日本の「漁業管理」』(水産総合研究センター)
『香川歴史学会60周年記念誌 香川歴史紀行』(香川歴史学会)
『平成23~24年 第87次農林水産省統計表』(農林統計協会)
『日本沿岸域における漁業資源の動向と漁業管理体制の実態調査 -平成24年度事業報告-』(東京水産振興会)
『人と海洋の共生をめざして 150人のオピニヨン』(海洋政策研究財団)
『果実日本 特集:特産果樹をめぐる最近の動き』(日本園芸農業協同組合連合会)
『あまから手帖 日本酒は関西が熱い!&ジビエモード』(クリエテ関西)
『アクアネット 特集:サケマスで考える』(湊文社)
『水産振興 かつお節加工業および関連産業・関連地域の現状と課題』(東京水産振興会)
『平成24年 家計調査年報』(総務省統計局)

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- 号外 2010年08月05日