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かれんとオーシー - 大阪市中央卸売市場本場広報誌:「今」「最新の」大阪市中央卸売市場本場の情報 -
2012年 Vol.67 2012.12.01 発行
ノロウイルスによる感染性胃腸炎が大流行しています!!

全国的に、ノロウイルス等による感染性胃腸炎が増加しており、同時期としては、平成18年に次いで、過去10年間で第2位と非常に高い水準です。大阪市内においても、保育所・幼稚園、社会福祉施設を中心に集団発生しています(下図)。

 

 

 

また、大阪市内の飲食店等で発生したノロウイルス食中毒の状況を以下に示します。去年に比べると発生件数、患者数は少ないですが、油断はできません。また、ノロウイルスに感染したお年寄りが死亡したという例も報告されております。ただ、この事例では、ノロウイルスが直接の死因ではなく、激しい嘔吐による誤嚥性肺炎や心不全等が原因でした。このような事例もあることから、お年寄りや、小さい子供への感染に対する注意は特に必要です。

 

発生月日 患者数 原因食品 原因施設
1月17日 (19) 不明(特注弁当) 飲食店 店頭製造販売弁当
1月29日 31 不明(平成24年1月28に提供された昼食) 飲食店 給食委託
1月31日 2 生食用カキ(一品料理) 飲食店 大衆酒場
2月11日 5 寿司 飲食店 寿司屋
2月19日 (6) ボイルカキ(コース料理) 飲食店 レストラン
3月3日 (7) 生カキを含む一品料理 飲食店 大衆酒場
3月14日 (45) ボイルアサリ(コース料理) 飲食店 レストラン
11月19日 (9) 仕出弁当 飲食店 仕出し屋
11月26日 (6) 不明(会席料理) 飲食店 大衆酒場
11月29日 (14) 不明(一品料理) 飲食店 大衆酒場
12月6日 (6) 不明(コース料理) 飲食店 大衆酒場
12月9日 (5) 不明(コース料理) 飲食店 大衆酒場

 (   ):未確定

[平成24年12月13日現在]

ノロウイルスについて

ノロウイルスは秋から冬にかけて食中毒の原因となることが多いウイルスです。カキが主な原因とされていますが、上記のようにカキ以外の料理が原因となることがしばしばあります。ノロウイルスは、人から人へ感染するという感染症としての特徴もありますが、感染者が調理した食事から感染した場合、食中毒として扱われることがあります。

ひとことに食中毒といっても、細菌によるもの、寄生虫によるもの、きのこの毒によるもの、ふぐ毒によるもの等様々な原因があります。主に細菌による食中毒が大半を占めていますが、ノロウイルス等のウイルスによる食中毒も近年増加しています。ウイルスは細菌と異なり、非常に小さい構造であり、頑丈な殻に覆われています。このため、細菌には有効な消毒方法がウイルスには効かないとういうことがあります。特に逆性石鹸やアルコールに対してはかなり抵抗性があり、塩素系消毒薬が有効とされています。また、乾燥にも非常に強く、非常に小さい構造から、飛沫となり空気中に散在してしまうため、特に空気の乾燥する冬場に感染が拡大しやすくなっています。

症状は、1~2日の潜伏期間の後、激しい嘔吐・下痢・発熱が2~3日続きます。症状が治まった後も数日間ウイルスを排出し続けるため、感染拡大の点から調理従事者は注意が必要です。

 

ノロウイルスによる食中毒を予防するために以下のことに注意しましょう。

  1. 飲食店や給食施設等においては、調理従事者の健康管理を徹底しましょう。
    下痢等の症状がある場合は調理に従事しないようにしましょう。
  2. 手指の洗浄消毒(調理前、食事前、トイレの後)を徹底しましょう。
  3. 調理器具を介しての汚染があるので、器具の洗浄消毒を徹底しましょう。
  4. 加熱用のカキは生食しないようにし、中心部まで十分加熱しましょう(85℃1分以上)
  5. 嘔吐物等で汚染した場所や掃除道具は塩素系消毒薬で消毒しましょう。
    食器等の消毒や拭き取り→200ppm
    嘔吐物等の消毒→1000ppm

(下図参照)

 

■ 参考

○ノロウイルス食中毒予防対策リーフレット(厚生労働省)

http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/dl/link01-01_leaf01.pdf

○ノロウイルスは主要な食中毒及び感染症の原因です(大阪市)

http://www.city.osaka.lg.jp/kenko/cmsfiles/contents/0000006/6579/noro.pdf

○消毒のお話(大阪市)

http://www.city.osaka.lg.jp/kenko/cmsfiles/contents/0000005/5538/shoudokunoohanashi_P1-8.pdf

 

2012おさかな絵画コンクール 入選作品決まる

主催:大阪おさかな普及協議会

今年で8回目を迎えた「2012おさかな絵画コンクール」の表彰式が10月27日、大阪市中央卸売市場本場の業務管理棟16階大ホールで行われた。

この催しは、日本の食文化の原点である「おさかな」をテーマに、食育の一環として大阪府内の高校生以下を対象に作品を募集した。

審査は10月4日に専門委員と同協議会の代表理事をはじめ16人の審査員によって厳正に行われ、大阪府知事賞・大阪市長賞等48点の作品が選出された。今年も昨年に引き続き8回目の記念事業として、小学校以下の応募者の中から26組を地曳網(岡田浦漁港)体験に招待した。

受賞作品は大阪市中央卸売市場本場業務管理棟1階研修室で展示されている。

今年は4,404作品が集まりました。皆様方のご協力ありがとうございました。引き続き食育の一環とした魚食普及活動を推進して参りますので、ご期待下さい。

 

◎高校生・中学生の部
大阪府知事賞
(高校3年生・横瀬真奈)
◎小学生以下の部
大阪市長賞
(小学6年生・小野美咲)
大阪府教育委員会賞
(中学2年生・彦坂吉海)
大阪市教育委員会賞
(5才・井ノ本優生)

 

【後援】

大阪府、大阪府教育委員会、大阪市、大阪市教育委員会

【協力】

大阪市中央卸売市場本場市場協会、大阪府漁業振興基金

 

旬の魚 キンメダイ

今回は深海魚で、ルビーのように赤くてきれいで美味しいキンメダイです。

 

キンメダイ

 

1.キンメダイの分布と生態

主に北海道以南の太平洋岸から東シナ海にかけての深海に生息します。幼魚の間は水深の浅い大陸棚にすみ、成長すると水深の深いところ200~800mに移ります。成魚になると50cmほどになります。

関西の市場へ入荷してくるキンメダイの主な産地は、高知、静岡、千葉(銚子)などです。産卵期は夏から秋にかけてで、旬は産卵後に体力が回復し脂がのる冬場を中心とした寒い時期です。

 

2.タイはタイでもあやかり鯛

「金目鯛」と名前に鯛という字が入っているのでタイの仲間と思われそうですが、キンメダイ目キンメダイ科キンメダイ属というスズキ目のマダイとは全く別の魚です。マダイにあやかって「○○ダイ」と名の付いた魚のことを「あやかり鯛」といい、このキンメダイもまさしくあやかり鯛の一つです。昔、関西ではマダイの代用のような扱いだったのですが、今では高級魚になっています。産地では昔から祝い魚として扱われています。

 

3.キンメダイの目

水深200m以深の暗いところに棲んでいるため、目が独自の発達をしました。網膜の裏に反射板があり、網膜を通過した光をもう一度反射して網膜に返すことにより感度を上げて物がよく見えるようになっています。これは夜行性の動物であるネコにもみられるシステムで、わずかな光しかなくても物を見ることができます。またこの反射板のせいで目が金色に光って見えます。

 

4.キンメダイの赤色

キンメダイは鮮やかな赤い色をしていますが、これはエサである甲殻類に含まれているアスタキサンチンというカロテノイド系の色素によるものです。アスタキサンチンはたいへん強い抗酸化作用があり活性酸素を除去するなどの効果があるとされており、今、大変注目を集めています。

このきれいな赤色もキンメダイのすむ水深200mの世界では、残念ながら黒色にしか見えないようです。しかしこれはあくまで人間による認識なので、魚同士ではどういうふうに見えているのかはまだわかっておらず興味がありますね。

 

5.キンメダイの栄養

キンメダイは血中コレステロールを低下させるDHAやEPAといった不飽和脂肪酸や、たんぱく質、コラーゲン、抗酸化作用の強いアスタキサンチン、骨を形成する際に必要なリンやマグネシウムなどが豊富です。

 

6.選び方、食べ方

1匹丸ごと買う場合は、やはりその名の通り金色の目が輝いて透明感のあるものが鮮度もいいものです。目が白く濁っているものは鮮度がよくありません。切り身になっている場合は身が薄いピンク色で透明感のあるものが鮮度のよいものです。

キンメダイといえば煮付けを思い浮かべるほど。小骨が少なく身離れもよいので煮付けはとてもキンメダイに合う調理方法といえます。また刺身、炙り、鍋、酒蒸し、味噌漬け、一夜干しなどどんな料理にしてもおいしいです。中でも一押しは、しゃぶしゃぶです。寒い季節が旬のキンメダイは、この時期たいへん脂がのっていますが、一度湯に通すことで身の表面の脂が適度に落とされ、さっぱりとした食感になります。ぽん酢などで食べるといくらでも食べれそうです。

 

7.おさかなクッキング

■ キンメダイのしゃぶしゃぶ

キンメダイのしゃぶしゃぶ

【材 料】

金目鯛(小)・・・1尾(鱗と、内臓はお店でとってもらいました)

豆腐、鍋用野菜・・・適宜

昆布・・・1切れ

もみじおろし、あさつき、ポン酢・・・適量

酒、塩、みりん・・・・適量

 

【作り方】

① 金目鯛は3枚におろし、腹骨をすき取って血合い部分の骨を抜き、皮付きのまま薄くそぎ切りにして皿に盛付けます。

※金目鯛は血合い骨が4本程度しかなく、身が柔らかいので簡単に抜けます。小さな魚の場合は、血合いの部分で割らず、背越しで(上身、下身をつなげて)使います。

② 鍋に水と昆布を入れて火にかけ、沸騰する前に昆布を引き上げます。これに酒と塩、みりん少々で下味を付けて(薄い吸物程度)準備完了。

③ 金目鯛は4~5秒、シャブシャブっとして(半生状態)、もみじおろし と あさつきを入れたポン酢でいただきます。豆腐や野菜も適宜 煮ていただきます。

④ 締めは、ご飯を入れて雑炊に。

 

■ 旬の魚のバックナンバーはこちらから

http://www.uoichi.co.jp/uoichi_info/main_bknum_fish.asp

 

 

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資料室からのご案内

新刊案内

『水産振興 養殖マグロの現状と刺身マグロの需給』(東京水産振興会)

国内で魚の王様といわれる事の多いクロマグロは、いまだその地位に「揺るぎ」はないものの、往時にはマグロ類の供給が50万トンを超えていた時代からみるとその変容と減退傾向は顕著になってきている。そして国内においても、脂物として天然クロマグロに替わっての期待を担い、伸び続けてきた養殖クロマグロも水産庁による規制(資源管理の徹底化)が進行しつつあり、現状を超える規模拡大は困難になってきている。また供給面のみではなく、需要の側面においても国内市場は成熟局面に入っているといわれており、そのような意味で、今刺身市場も含めマグロは岐路に立たされているといっても過言ではない。本書では、国内養殖マグロを中心に刺身マグロの動向について述べ、従来と何が変わって何が変わらなかったのか、という視点からみてみたい。

 

【新着の図書・資料の紹介】

『アクアネット 特集:天然ブリと養殖ブリ』(湊文社)
『日本沿岸域における漁業資源の動向と漁業管理体制の実態調査』(東京水産振興会)
『平成22年 青果物卸売市場調査報告』(農林統計協会)
『水産加工外史 “痛快”今忠一代記』(北斗書房)
『日本水産百年史』(日本水産株式会社)
『戦間期日本の水産物流通』(日本経済評論社)
『平成22~23年 第86次農林水産省統計表』(農林統計協会)
『ものづくり 上方“酒”ばなし』(大阪大学出版会)
『あまから手帖 リニューアル200号記念企画「寿司」大特集』(クリエテ関西)
『果実日本 特集:果樹経営対策を活用する』(日本園芸農業協同組合連合会)

 

行事予定のお知らせ

第60回 場内卓球大会

参加者募集!!ふるってご参加ください。

 

日 時 2月7日(木)午後1時30分集合、2時試合開始(団体戦)
2月8日(金)午後2時試合開始(個人戦)
場 所 大阪市中央卸売市場本場体育館(市場東棟 5階)
試 合 団体戦 2単1複形式、1チームは3~4名で編成
個人戦 (I・II部)
申込締切 平成25年1月25日(金)までに団体を通じて申し込み下さい。
その他 上位入賞者は、25年度の京阪神三都市競技大会(神戸市大会)の代表になります。
《詳細は、市場協会(内線7850)飯田までお問い合わせください》