
- 食中毒多発期を前に
食中毒は季節を問わず発生しますが、気温が上昇し多湿となる梅雨時には食中毒が多く発生するため、特に注意が必要です。平成23年の食中毒事件発生状況をみても夏期に多く発生していることが窺えます(下図)。
夏期に発生の多い食中毒は、腸炎ビブリオ、サルモネラ属菌、黄色ブドウ球菌、カンピロバクター等があげられます。昨年大きな問題となった腸管出血性大腸菌による食中毒も夏期に増加します。また、ノロウイルスは冬期に多発することが知られていますが、夏期でも発生がみられており油断できません。
夏期に発生の多い食中毒菌について
・腸炎ビブリオ
海水中に存在し、生育に塩分が必要です。魚介類に付着しており、流通過程、調理中などの不適切な取扱いにより増殖し、食中毒の原因となります。魚介類だけでなく適度な塩分を含むイカの塩辛等の加工品や、調理器具を介して、野菜の一夜漬けが原因となった事例もあります。腸炎ビブリオは温度が高いと急激に増殖しますが、低温(できれば4℃以下)であれば増殖が抑制できます。また真水に弱いため水道水で洗うことや、十分な加熱も効果的です。
・サルモネラ属菌
自然界に広く存在し、原因食品になりやすいものは加熱不足の卵・肉・魚料理等です。ネズミ、ハエ、ゴキブリ等が菌を伝播するため作業場、調理場等に侵入させないことが重要です。また健康保菌者から二次感染することもあるため、検便を行い健康状態を把握することも予防につながります。その他の予防として食品の十分な加熱(75℃、1分以上)、生食用卵は新鮮なものを使用し、割り置きはしないことがあげられます。
・黄色ブドウ球菌
自然界だけでなく健康な人の皮膚や鼻の中に存在し、特に傷口や化膿した部位には多量に存在します。本菌は食品中で増殖する際に毒素を産生し、この毒素が食中毒を起こします。毒素は熱に強いため、加熱調理しても菌は死んでも毒素は分解されることがないため注意が必要です。食品を取り扱う際は使い捨て手袋を使用し、食品中で菌を増殖させないように低温保存し、調理後はすぐに喫食することで予防できます。
・カンピロバクター
この数年間の食中毒の中で、発生件数が最も多い食中毒で、主な原因食品は鶏肉・牛レバー等です。特に鶏肉は本菌に汚染されている可能性が高いため生食、加熱不足は危険です。新鮮だからといっても安全ではありません。また、少量の摂取でも発症することがあります。鶏肉や牛レバーの生食を避け、十分加熱することが予防につながります。
・腸管出血性大腸菌
大腸菌のほとんどは無害ですが、食中毒を起こす大腸菌を「下痢原性大腸菌」といい、その中で志賀毒素(ベロ毒素)という強い毒素を産生するものが「腸管出血性大腸菌」です。腸管出血性大腸菌は主に肥育牛の腸管内に存在しており、夏期になると腸管出血性大腸菌を保有する個体が多くなります。よって、主な原因は牛肉や牛レバーの生食や加熱不足によるものです。牛肉、牛レバーだけでなく、二次汚染によりその他のあらゆる食品が原因となる可能性もあります。カンピロバクターと同様、少量の摂取でも発症することがあります。また、溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症等の合併症により幼児や高齢者が死亡する事例が多くあります。成人で感染しても症状はないが健康保菌者になってしまい、感染を拡大させてしまうこともあります。牛肉の生食を避け、十分加熱することでほとんどが予防できます。
上記以外の菌でも夏場は非常に食中毒が発生しやすくなります。これからの暑くなる季節には食中毒予防の三原則、
を実践し、食中毒予防に努めましょう。
【参考】
○政府広報オンライン 特集「食中毒を防ぐ3つの原則・6つのポイント」
http://www.gov-online.go.jp/featured/201106_02/index.html
○政府広報オンライン お役立ち情報
「ご注意ください!お肉の生食・加熱不足による食中毒」
http://www.gov-online.go.jp/useful/article/201005/4.html○厚生労働省 家庭でできる食中毒予防の6つのポイント
http://www1.mhlw.go.jp/houdou/0903/h0331-1.html
○厚生労働省 食中毒予防パンフレット
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/pamph.html
○食品安全委員会 食中毒予防のポイント
- 2012年も「おさかな」絵画コンクール募集します!
海の恵み・川の恵み・池の恵み・自然の恵み
よく見て、よく考えて、思いっきり描こう【募集期間】
平成24年7月1日~9月30日(当日消印有効)
【審査日程】
審査:10月上旬予定
【応募資格】
大阪府下の高校生以下
【部門】
①高校生・中学生の部 ②小学生以下の部
【テーマ】
おさかな(おさかなを自由に表現してください)
【応募規定】
- サイズ/四つ切画用紙
- 画材/水彩絵の具、パステル、クレヨン、色鉛筆など
- 応募用紙、又は作品の裏に必要事項(住所・氏名・年齢・学校名・学年・クラスそれに作品のテーマや簡単な説明文)を記入のうえ、作品の裏に貼り付けてください
- 作品は未発表の作品に限ります。また、応募作品の返却はいたしません。
※応募作品の著作権は主催者に帰属します
※応募用紙に記入いただいた個人情報は、本コンクールに関する審査および結果等の通知や作品の確認以外に使用いたしません【応募先】
〒553-0005 大阪市福島区野田1-1-86
大阪市水産物卸協同組合内 大阪おさかな普及協議会 宛
TEL:06-6469-3908 ※郵送のみの受付となります【発表】
平成24年10月中旬
※入賞者の方は、学校を通じてもしくは個人にご連絡します【展示発表】
平成24年10月下旬より1ヶ月
大阪市中央卸売市場本場内1F研修室にて展示【表彰式(予定)】
授与式:平成24年10月27日(土)10:30~
大阪市中央卸売市場本場 業務管理棟16階大ホール【賞】
①高校生・中学生の部
賞 入賞数 副賞(図書カード) 大阪府知事賞 1名 3万円相当 大阪府教育委員会賞 1名 2万円相当 大阪おさかな普及協議会賞 2名 1万円相当 入賞 20名 3千円相当 ②小学生以下の部
賞 入賞数 副賞(図書カード) 大阪市長賞 1名 2万円相当 大阪市教育委員会賞 1名 1万円相当 大阪おさかな普及協議会賞 2名 5千円相当 入賞 20名 2千円相当 【審査委員会】
大阪おさかな普及協議会の構成委員および外部委員からなる審査委員会を設置し、厳正な審査を行い
賞を決定します
【入選作品の利用】
入選作品の中から、市場PRのためにカレンダー等に使用する場合があります
【主催】
大阪おさかな普及協議会
【後援】
大阪府、大阪府教育委員会、大阪市、大阪市教育委員会
【協力】
大阪市中央卸売市場本場市場協会、公益財団法人大阪府漁業振興基金
◎昨年の入賞作品
2011年大阪府知事賞
2011年大阪市長賞
- 旬の魚 ハモ
-
今回は、初夏を代表する魚「ハモ」です。
■ハモのおいしい話
骨切りしたハモ
ハモは関西の夏の味覚として欠かせません。7月には別名「ハモ祭り」と言われる京都の「祇園祭り」や大阪の「天神祭り」があり、ハモの最も需要の多い時期となります。
ハモの旬は、「ハモは梅雨の雨水を飲んで大きくなる」と言われるように梅雨明けから夏にかけてと、秋から冬にかけての2回あります。初夏にはサッパリとしたおいしさ、秋には脂ののったおいしさと違ったおいしさが楽しめます。
「ハモ」という名前は、鋭い歯で咬むことから「咬む(はむ)」のなまったものであるという説や、「強い歯の魚」という意味で「歯魚(はも)」からきているという説もありますが、いずれも鋭い歯がその名前の由来となっています。
小骨が多いために関東ではあまり食べられず、圧倒的に関西のほうが消費量が多かったのですが、近頃では「骨切り」の調理法が広く知られるようになり、関東でもよく食べられるようになりました。
■ハモの分布と生態
本州中部以南、朝鮮半島以南に分布しています。水深100m以浅の砂泥底に生息し、主に水深50m前後に多くいます。夜行性で日没から活動を始め、甲殻類、イカ、タコ、魚等を捕食しますが、成長するに伴い魚類の割合が増えます。またハモにはウロコがありません。10年でオスは約70cm、メスは約1mに成長します。中には2mになるものもいます。関西では500~300g(60~70cm)サイズのものが好まれます。
関西では徳島、愛媛、淡路の瀬戸内海からの入荷が主体で、中でも淡路島南端沖の沼島近くのものがよく知られています。産地が近いこともあり、鮮度の高いものが入荷します。瀬戸内のハモは7~9月頃に産卵のために回遊してきたもので、産卵が終わると再び外海へ出て行きます。近年は中国・韓国からも多く輸入されています。
■ハモの漁法
主に東シナ海で底曳きや延縄で漁獲されます。釣りで釣れることもありますが、歯が強く、むやみに触ると噛みつかれるおそれもありますので取り扱いは十分に注意して下さい。
■ハモのことわざ
「京都の鱧は山で獲れる」ということわざがあります。これは、淡路や明石で獲れたハモを京都に運ぶ際に、逃げだしたハモが山道をウネウネとしていたのを見た人が驚いて言ったそうです。水のないところでも何日か生きているほど生命力が強いハモはスタミナ抜群です。
「ハモも一期、エビも一期」というのもあります。これは、ハモとエビは姿も違うし、生き方も違うが、一生は一生で違いはない、それと同じように人間にも貧富の差やいろいろな生き方があるが、どうのように生きても一生は一生である
という意味です。
「麦わらダコに祭りハモ」これは、タコとハモの旬をあらわしたもので、ハモは祇園祭りの頃に旬になり一番美味しくなるというものです。
■ハモの栄養
ハモ皮には、コンドロイチンが多く含まれています。コンドロイチンは、EPA(エイコサペンタエン酸)や核酸などと並んで、人の皮膚の老化防止に役立つことが知られています。これを食べることによって女性は肌がすべすべでなめらかになるとも言われ、ハモを食べる文化に、京美人も支えられてきたのではないでしょうか。
■ハモの料理
日本では、ハモは高級食材として扱われています。特に京都では「祇園祭り」に食べる風習があり、夏を代表する魚として珍重されます。
代表的な料理は「湯引きハモ」、「ハモすき」、「天ぷら」、「お吸い物」などがあります。他には、「ハモの洗い」「ハモのちり鍋」「唐揚げ」「照り焼き」といったものもよく食べられています。またハモの身は上質なかまぼこの原料にも使われます。
ハモには「活〆」と「野〆」にしたものがあり、「活〆ハモ」は生きている間に即殺することで身が引き締まった状態にしたもので、「湯引きハモ」に最適です。「野〆ハモ」は身質がピンク色で「照焼き、フライ、天ぷら」料理に適しています。ヌルヌルとした魚は、ウナギもそうですが栄養満点で、これから夏バテ防止には最適の魚です。ただ調理には「骨切り」(2mmおきぐらいに包丁を入れて骨を切断する)などかなりの技量を必要とするため、すでに骨切りをしたものを売っている店が多くなっています。
湯引きハモ・・・・骨切りにしたハモを軽く湯に通したあと、梅肉などにつけて食べれば、さっぱりとした上品な味でとても美味です。
ハモすき・・・・骨切したハモとたまねぎをいっしょに煮るとハモのダシとたまねぎの甘みがちょうど良くなり非常に美味です。
■おさかなクッキング
●ハモと松茸の土瓶蒸し
ハモと松茸の土瓶蒸し
関西の秋を代表するメニューです。ちょっと高級そうですが、難しくはなく家庭でも簡単に作れます。ハモのダシはクセがなくとても上品。雑味を出さないように、ハモや海老を一旦霜降りにしてから使うのがポイントです。朝晩ちょっと冷え込む頃、日本酒を飲りながら味わうと、もう最高! 日本人に生まれてよかったなあ・・・、と思わせる美味しさです。
【材料(2人分)】
ハモ・・・60g(骨切りした身)
松茸・・・1本
海老・・・2尾
銀杏(水煮)・・・6個(あれば)
三つ葉・・・適量
酢橘(スダチ)・・・1個
<吸い地>
出し汁(鰹節、昆布)・・・350ml
塩・・・小さじ1/3
薄口醤油・・・小さじ1/4
酒・・・小さじ1
【作り方】
①ハモは1.5cm幅くらいに切る。松茸は洗ってから石付きを切り、切れ目を入れて割く。海老は殻をむいて背ワタを抜く。三つ葉は5cmくらいに、酢橘は半分に切る。
② ①のハモと海老を10秒くらい熱湯に通して冷水にとり、水気を切る。
③出し汁に調味料を加えて吸い地を作って土瓶に注ぎ、ハモ、海老、松茸、銀杏を加えて12~13分蒸し器で蒸す。汁が澄んできたら蒸しあがり。三つ葉を加え、酢橘を添える。
④吸い地を付属の猪口に注ぎ、酢橘を搾っていただく。具も食べる。
おいしいハモをモリモリ食べて夏を乗り切りましょう!
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- 事業報告書について
仲卸業者の皆さんには、事業報告書の提出が義務付けられています
仲卸業者の方は、本市業務条例第24条及び施行規則第23条により、
毎事業年度経過後90日以内に事業報告書を市役所に提出することが定められています。
決算期が3月末の仲卸業者の方は6月29日(金)までに所属組合を通じて提出をお願いします。お問い合わせ先
市役所本場(業務管理グループ)
- 資料室からのご案内
新刊案内
『ジェトロ 貿易ハンドブック2012』(日本貿易振興機構)
本書は、貿易実務の基本事項や用語集をはじめとして、世界各国・地域の概要やFTA締結国一覧、国際ビジネス関連機関の連絡先などを掲載しています。貿易関連の各種制度などの改正に対応、世界のFTA締結状況、アジア主要都市・地域の投資関連コスト比較、国際ビジネス関連機関の連絡先などを可能な限り最新のデータに更新し、また、「ジェトロに寄せられた貿易実務に関するQ&A」等も紹介されています。
【新着の図書・資料の紹介】
『平成23年度 我が国周辺水域の漁業資源評価』(水産庁 水産総合研究センター)
『大阪人 特集:行こう大阪の名所いま・むかし』(大阪市都市工学情報センター)
『大阪人 増刊号:古地図で歴史をあるく』(大阪市都市工学情報センター)
『平成22年産 果樹生産出荷統計』(農林統計協会)
『平成23年 大阪中央卸売市場青果物流通年報(野菜編)』(大阪流通情報協会)
『平成23年 大阪中央卸売市場青果物流通年報(果実編)』(大阪流通情報協会)
『平成23年度食料・農業・農村の動向 平成24年度食料・農業・農村施策』(農林水産省大臣官房政策課)
『水産振興 水産と環境-ダムのサケ科魚類と沿岸環境に与える影響-』(東京水産振興会)
『平成22年度 食料需給表』(農林統計協会)
『アクアネット 特集:お手軽寿司市場の現況と展望』(湊文社)
『果実日本 特集:気象変動がカンキツ生産に及ぼす影響と対策技術』(日本園芸農業協同組合連合会)
『あまから手帖 肉好きバイブル&夜ランチ』(クリエテ関西)
- 天神祭まであと一月
「日本三大祭」のひとつ天神祭まであと一月。
その中で、本場の若者たち150数名がかつぎ、祭のしんがりをつとめる玉神輿は特に注目を集めることになります。
夕刻から繰り広げられる陸渡御での玉神輿を夕涼みをかねて、ぜひご覧ください。
(玉神輿講事務局)7月25日(水) 天神祭
■ 陸渡御(午後5時前後 大阪天満宮を玉神輿が出門します)
■ 船渡御(玉神輿船は、午後6時半ごろ出船します)

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- 号外 2010年08月05日